「散歩は閃きの母」84歳の航空工学者
天気が良い日は、できるだけ近所の公園に天真柔操(天真体道の基礎体操)をしに行く事にしている。天真柔操自体は、室内でも出来るものだが(やり方は『天地人々ワレ一体』にも書いてある通り)、やはり屋外で行うと天地自然との氣の交感があって気持ちが良いのだ。
今日、KIN84(1/17)からぴったり30日前のKIN54(12/18)に、その公園で体操をしていると、向こうの方から歩いて来た年配の男性が、「こんにちは!」と話しかけて来られた。聞けば、田園調布から河原を散歩して来られたという。週に3日くらいはコースを変えて散歩するようにしているそうで、1回の距離は大体10〜15キロとのこと。
その距離にもびっくりしたが、お年が「84」と聞いてさらに驚いた。姿勢も歩き方も肌ツヤも良く、せいぜい70前くらいにしか見えなかったからだ。間も無く83になられる青木先生(天真体道創始者)も若々しいが、この方も負けず劣らず若々しい。
見かけだけでなく、体にはどこも悪い所がないそうで、健康診断で引っかかった事も無いらしい。80代といえば、一般的には病院通いを自慢しあったり、場合によっては寝たきりになってしまったりもする年代。年齢と共にじりじりと機能低下して来ているとはおっしゃっていたが、ご立派である。
しかし、元気な方には、やはり理由がある。この方の場合、40代の頃からずっとジョギングを続けて来ていて、走るのが厳しくなってきた頃に散歩に切り替えたという。最初は健康維持のつもりで始めたらしいのだが、散歩した方が頭が冴えるという実感があるので、今も続けているとのこと。
航空工学の専門家で、大学の教科書なども書かれている方らしく、今も最新の英語論文に目を通されているという。記憶力は随分落ちたとおっしゃっていたが、閃きはむしろ冴えて来ていて、散歩中に難しい数式の分からなかったところがパッと分かったりする事もあるのだと言って、散歩の効用を力説してくださった。
最新の科学がようやく認識しつつある「生命機能の全体性、相互関係性」にずっと着目して来た私にしてみれば、「そりゃそうでしょう」という話だが、実際にそういう体験をしておられる元気な年長者に出会えるのは、やはり嬉しい。肌ツヤだけでなく、存在感にも輝きがあって明るいのだ。
昨日、その学者さんの事を思い出しながら、同じ公園の同じ場所で天真柔操をしていたら(違う場所で行うことも多い)、また別なご年配の男性に声をかけられた。15年近く続けて来て、体操中に誰かに声をかけられたのは、30日前と昨日の2回だけ。一緒に体操しているLにも確認してみたが、多分、間違いないとのこと。
天真柔操&瞑想をしていると、鳥や犬が近寄って来たり、魚がバシャッと跳ねたり、太陽が急にカッと照り出したりすることは割と良くあるし、人にガン見される事も時にはある。しかし、話しかけられた事は今まで無かったので、何か面白い現象が起きているな、と思っているところである。(D)
共振の月8日 6・種(KIN84)
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