『鬼滅の刃』無限列車という名のUFOに乗る
『鬼滅の刃』が爆発的にヒットしている事は結構前から知っていたが、いわゆる流行り物には殆ど興味がない上、「行列する店に並ぶ」的な習慣も無い私は、一度、コンビニで原作漫画の「絵」を観たきり、それ以上深入りする事はなかった。
しかし、先ごろ行われた剣武天真流の師範会議(柱合会議みたいなもの)でも話題に登り、世代や国を超えたコミュニケーションツールにもなりつつある事を認識した私は、Lと共に勉強のつもりで11/23(KIN239)からアニメを見はじめた。
流石に人気投票で生き残りが決まる週刊誌で連載されて来た作品だけあって、導入部からテンポが良く、一気に引き込まれる展開。もともと『北斗の拳』や『ジョジョの奇妙な冒険』で人生の方向性を決めてしまったような私にとって、ジョジョ的モチーフ(吸血鬼vs波紋の戦士)に溢れ、剣術や体技の要素もふんだんに盛り込まれているこの作品が響かないはずはなく、10日ほどで全26話を見終えてしまった。
色々な意味でよく出来た作品で、もし事情が許せば1、2日で全て観てしまっていたに違いない。実際、「え〜、そこで終わっちゃうのー!?」という所では、私もLも抑制の効かなくなった子供のように、連続で3話とか4話観てしまっていた(笑)。当然、劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』にも乗車させられ、まんまと「夢」を見させられてしまうという始末。
しかし、普段の稽古や体感とつながる呼吸や意識の向け方があったり、セラピーの現場で起こる心身変容のプロセスを観ているような気分になったり、「生生流転」という型名が登場したり(剣武天真流にも全く同名の型がある)と、映画までひと連なりになっていたこのアニメ作品には、刺激を受けるところが多々あった。観てよかったと思う。
だが、何よりの驚きは、映画の上映時間が「117分」で、アニメ制作が「ufotable」というプロダクションだったこと。何故それで驚いたのかについては【UFO写真とUFOの日】を参照頂ければと思うが、九州で思いがけずUFO写真を撮影してしまった直後に、「UFOの日」というのを偶然知ってしまった事と関係している。
このシンクロが回路を開いたのか、無限列車を観た翌日の12/10(KIN256)、ツイッターで大変興味深い記事に出会った。何と、イスラエルの元宇宙安全保障責任者が、エルサレム・ポスト紙の中で「銀河連盟(Galactic Federation)は何年もイスラエルや米国とコンタクトして来た」と語っていたのだ。
ちなみにこの記事、クリカツイッターでフォローしている梶川氏(B・フラーの共同研究者でデザインサイエンティスト)がリツイートしていたもので、自分から探しに行ったものではない。だからこそ、直前に全く別な文脈で「ufotable」と「UFOの日」(KIN117)に着目していた事が面白く感じられるのだ。
私は、日本の漫画を世界に誇れる「総合芸術」だと考えているが、「絵」の好き嫌いには相性があるとも思っている。作品として総合的に優れていても、絵的に合わない作品も存在するからだ。鬼滅の原作に、最初どこかピンと来るものが無かったのも、そのせいかもしれない。
前後関係の分からない話を一話だけ「絵」で観てしまった私は、それだけで引き込まれるほどのパワーをそこに感じなかったのだ。一方、アニメと映画に割とすんなり入って行けたのは「ufotable」のセンスが、原作の良さを引き出していたからなのかもしれない。そこにはアニメから原作を辿ってみたくなるような魅力があった。
結局、原作が多次元的に素晴らしいからこそ、シンクロして相乗効果が得られるプロダクションとも繋がるのだと思うが、アニメの品質によって原作の価値が高まるという流れもあるのだ、という事を今回改めて実感したのだった。
ところで、無限列車編の主役とも言える煉獄杏寿郎(煉獄家)の髪型や目は、ミュージカル『CATS(キャッツ)』のイメージじゃない?とLが気づいた。確かに言われてみるとその通りで、この作品にはそういう「無意識的(記憶想起)共鳴装置」が各所に仕掛けられていて、いちいち関心させられる。
設定によると、煉獄さんの出身地は「東京府荏原郡駒沢村」となっているらしく、割とご近所さんだ。こんなところでも「嬉しい」と思えてしまうのは、ズルい人間ばかりが目立つ現代において、その真っ直ぐで快活な生き様が「救い」となるからだろう。
あと一つ、個人的な無意識的共鳴について書いておきたい。主人公の炭治郎(タンジロウ)という名前に、何か聞き覚えがあると思っていたら、私の二人の祖父タジロウとトクシロウの合成音である事に気づいた。徳四郎さんは、私が生まれる前に既に他界していたが、数年前の法事で「剣舞(けんばい)」(岩手に伝わる伝統芸能)をしていたという話を、親戚から初めて聞かされた。
これも、私が剣武天真流の稽古を始めたからこそ出て来た話。『鬼滅の刃』が見えない繋がりや想いを強く意識しているように、見えない次元での「縁」というものはやはりあると思う。もし、このブログを見て剣武をやりたくなった鬼滅ファンがいたら、その昔、どこかで縁があった人かもしれない。
無限列車(話)が大分脱線してきたので、この辺りまでにしておくことにしよう。
倍音の月27日 10・地球(KIN257)
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