体感温度と「氣」

ちょっと前に、20度台から急に気温が下がった時の事だ。体の中まで冷えるような感覚があって気になり、何度かスマホで確認するも、ずっと14度〜15度くらいで、特に寒いとは言えない気温を示している。別に調子が悪い訳でもなかったが、自分の感覚がおかしいのかと思ってLに聞くと、やはり「気温よりずっと寒く感じる」と言う。

一方、昨日の朝は、この冬一番の寒さになって、朝は4度くらいしかなかったが、体の中に寒さは感じなかった。確かに顔や耳で感じる冷たさには気温相応のものがあったが、染み入ってくるような寒さは感じないし、どちらかと言えば中はホカホカしているような感じですらあった。

スマホの天気アプリにどの程度正確さがあるのかは知らないが、両日とも風はほとんど吹いておらず、湿度もあまり変わりは無かったように思う。その条件で10度も気温差があれば、明らかに14度の時の方が暖かいはずなのだが、体感的にはそうでもないところに面白さがある。

ここから先は観察と経験による持論だが、生物は本能的に「変化に敏感」であるよう出来ていて、寒い方向に向かいつつある時には「寒さ」を強く感じ、大きく変化しない時には「寒さ」をあまり感じないようになっているのではないだろうか?

「氣」というものは科学的に定義するのが難しく、実感した事が無い人にそれを言葉で説明しても「そんなの暗示だろう」というような反応をされるのがオチだが、一度でも体感した事がある人なら、それが決して「気のせい」などでは済まされない、明確な実感を伴うものであると分かるだろう。

「染み入って来るような寒さ」を説明するには、この「氣」の感覚が一番しっくり来る。温度や湿度だけでは、おそらくその伝わり方や感覚が説明できないからだ。過去記事にも書いた通り私の掌は大抵の人より冷たいが、少し距離をおくと接触している時よりも暖かいと感じてもらえる。これは、体温では説明ができない現象だ。

東洋医学は、このような「氣」に対する感覚がベースになって確立されて来たものだと思うし、上記のような環境との相互作用についてもよく吟味されていると思う。もし、そういう感覚が分からないまま東洋医学に携わっているとしたらヤブの類だろう。

「今までそういう感覚を味わった事はないけれど、興味はある」という方には、天真体道瞑想クラスに参加してみることをおススメしたい。殆どの人は手順を踏めば「氣」の感覚を味わえるし、かなり鈍い方でも体感できる方法を編み出してあるので、色々楽しんでもらえるかと思う。(D)

倍音の月28日 9・星(KIN48)

*写真は兵庫島公園でたわわに実っていた柑橘類

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