アッラーの御名において
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昨日のDによるブログ『新時代を呼び込むマントラ「ガリレオ」』で《『ボヘミアン・ラプソディ』の中で連呼されるのは「ガリレオ」》と紹介されていますが、もう一つ繰り返される不思議な言葉「ビスミッラー」に気づいた方はいらっしゃるでしょうか?
この「ビスミッラー」とは「アッラー(神)の御名において」という意味で、アラビア書道を学んでいる私には、とても馴染み深い言葉です。アラビア書道は、神の言葉である『クルアーン(コーラン)』を美しく書くために磨かれてきた書道であり、そのクルアーンの第一章(開端章)の最初に置かれているのが、「ビスミッラー」で始まる、ある言葉です。その言葉は「バスマラ(*)」と呼ばれ、コーランの全ての章(114章)はこのバスマラから始まるのです。イスラーム世界では、お祈りや食事や仕事、日常のあらゆる行動の最初に「ビスミッラー」を唱える習慣があるといいますから、もしかしたら地球上で最も頻繁に唱えられているマントラかもしれません。
(*)「バスマラ」Bismi al-laahi ar-raHmaani ar-raHiimi
読み方:ビスミッラー ヒラフマーニラヒーム
意味:慈悲ふかく慈愛あまねきアッラーの御名において(井筒俊彦訳)
ちなみに私は(威張ることではありませんが)アラビア書道を学んでいるとはいえアラビア語はほとんど分かりません。20年以上前に初めてエジプトのモスクでアラビア文字を目にした時、その四次元的な線の美しさにすっかり魅了されてしまったのです(もう恋に落ちたね)。その後しばらく経ってから日本でアラビア書道が学べることを知り、全くの憧れだけで入門しましたが、すでに中国書法の型が入ってしまっていた私には相当難しいです(涙)。しかしそれを言ったところで仕方がない。好きなものは好き。万年初心者の域を出なくとも、そこに美を感じる自分の感覚に忠誠を誓って、これからも稽古を続けて行こうと心に決めているのです。(L)
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こちらがバスマラ。「慈悲ふかく慈愛あまねきアッラーの御名において」。右から左に書いて行きます。書体はナスヒー体でアラビア書道での「楷書」にあたります。©2014年蘭禅作
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「ビスミッラー」で始まる上記作品の冒頭部分。
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アイキャッチ画像は、アラブイスラーム学院に期間限定で展示されていた私の作品の全体(左)。額装は全て自分で行いました。お隣の素晴らしいブルーの作品は、アラビア書道家:本田孝一先生の作品です。
共振の月14日 12・犬(KIN90)
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