風にはためくタルチョとドリームスペルの五色
ネパールやインド北部などのヒマヤラ文化圏では、タルチョと呼ばれる五色の祈祷旗をよく見かける。このタルチョには経文が書かれていて、風にはためく事で、旗に書かれている祈りや教えが、風に乗って広がって行くと考えられているのである。
G暦11月にNPOの活動でカトマンズを訪れた際、ボダナートの仏塔に初めてタルチョを奉納した事を【満月の「赤い月」のタルチョ奉納】に書いたが、この時、複数のタルチョを結びつけながら色を整える作業を目撃した事で、改めて色の順番を意識する事になった。
仏教ではこの世界を構成する五つの根本要素を「五大」と呼ぶが、一般にタルチョの「五色」はこの「五大」と以下のように関連付けられている。
青(空)・白(風)・赤(火)・緑(水)・黄(地)
「五大」を塔にした「五輪塔」などでは、下から「地水火風空」という構成になっているので、下から見れば「黄・緑・赤・白・青」という流れになるし、上から見れば逆に「青・白・赤・緑・黄」となる。「地(黄)」「空(青)」のどちらを起点とするのかはさておき、タルチョでも五輪塔でも「五大」の並び方に変わりはないという事だ。
ここで、「地水火風空」を一回で区切らずに、タルチョのように繋げてみると「黄・緑・赤・白・青・黄・緑・赤・白・青・黄・緑…」と循環することになる。それでハッと気づいたのが、『ドリームスペル(13の月の暦)』の色の循環だった。
『ドリームスペル(13の月の暦)』では、4キン単位の「調波」にも、52キン単位の「城」にも、「赤・白・青・黄・緑」という色の巡りが出てくる。前者は「入力・保存・処理・出力・母体」という流れを、後者は「創始・洗練・変容・熟成・同期」という意味合いを持つのだが、タルチョの色と全く同じ巡り方をするのである。
起点(区切り方)は違うにしても、連続させてみると色の循環法則は全く同じになるのだ。ちなみに、マヤ暦では「赤・白・黒・黄」を「東・北・西・南」に結びつける事をするが、「青」を使う事は無いので、ツォルキンの中に「青」が入っていたら、それはマヤ暦の情報ではなく『ドリームスペル』に起源を持つ情報だと判断する事ができる。
また、『ドリームスペル(13の月の暦)』提唱者のホゼ&ロイディーン・アグエイアス夫妻は、欧米にチベット仏教を広めたチョッギャム・トゥルンパに師事していた事があるだけに、仏教に対する造詣は相当深い。それ故、意識的か無意識的かは分からないが、『ドリームスペル』を生み出す際に、五大(五色)の巡り方を採用した可能性は否定できないのである。
もう一つ注目しておきたいのは、聖地などにタルチョを結ぶという習慣は、仏教流入以前からチベットに存在したボン教にその起源を見る事ができるという点だ。『マヤのリズム』P166にも記してある通り、ボン教と『ドリームスペル(13の月の暦)』には、回転方向(反時計回り)に関する共通点も見られるからだ。
このボン教を含め、遥か古代に中央アジアに栄えていたと思われる高度な精神文明こそ、私が求めているもの全てと関わっているという確信があるのだが、今はあまり話を拡散させずに「五色」と「五大」の関係性だけに留めておこうと思う。
この事を『ドリームスペル(13の月の暦)』ツォルキンの「白い惑星の風の日」(KIN62)に書く事になったのは、半分偶然なのだが、五大の「風」も「白」に対応するのは興味深い事実である。「平和への祈り」が込められたこの暦の情報が、大いなる風に乗ってこの惑星全体に広がって行くことを祈りつつ、多次元的タルチョとしてこの記事をUPしよう。(D)
律動の月14日 10・風(KIN62)
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