ルネサンスの都へ(5)
★こちらの記事は、クリカのメルマガ”Happy シンクロ Days♪”Vol.67(青いスペクトルの嵐の年 惑星の月20日 9・犬/2017.4.23)からの転載です。
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◆シンクロニック・ジャーニー 【 ルネサンスの都へ(5)】byD
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旅に出ると、そこでしか味わえないシンクロを「これでもか!」という位沢山体験させてもらえます。国内・海外問わず、スピリチュアルで美味しい旅の話を、シンクロ体験満載にてお届けします。
【 ルネサンスの都へ(5)】
ローマからフィレンツェへの移動は鉄道。Lが日本から予約しておいてくれたのは、ヨーロッパ初の民間高速鉄道会社が運営するitalo(イタロ)。Trenitaliaの高速列車よりもサービスが良いとの評判で、テルミニ駅構内の受付ブースも車体と同じフェラーリレッドで統一されていてお洒落だ。掲示板に出発ホームが表示されるのを待つ事しばし、私達の乗る9910号は9番線から出ることが判明。しかも、トリノ行であることもここで初めて分かった。初イタリアが2年前のトリノだった私には、ささやかながら嬉しいシンクロ。
それにこの日は、「9・戦士」(G9/1)の新月。出発は朝だったが、思えば駅の構造も列車デザインも「銀河鉄道999」的だ。革張りシートとちょっとした車内サービスは国内線フライトの感覚で、車窓から見える風景を楽しんでいる内にフィレンツェ中央(サンタ・マリア・ノヴェッラ)駅の9番線に到着。ドゥオモにほど近いマルテッリ通りの宿までは、500m位だったので、そのままキャリーバッグを引いて徒歩で向かったものの、石畳と暑さと想像以上の人混みで、思っていたよりも長く感じられた。
ローマの宿と同じく住所が「8」で、何よりフィレンツェ中心部という立地で見つけた宿「レスタンツェ・デル・ドゥオモ」は、目抜き通りに面しているものの、古い建物をそのまま活用し、入口が共用になっている関係もあって、ボーッとしていると、気付かずに通り過ぎてしまいそうな佇まい。チェックインにはまだ少し早かったので、2Fのレセプションに荷を預け、街の雰囲気を味わいながら散歩する事にした。
その前に腹ごしらえをと、フィレンツェナンバー1の人気パニーノ店「アル アンティコ ヴィナイオ」へ。流石に超有名店だけあって、店の前には行列が出来ていたが、幸いそんなに待たずに中に入れた。具材を選ぶ時に、カウンターの向こうのお兄さんが「どこから?」と聞くので「日本」と答えると、「サムライ」とか言うので、「俺は本物だぜ」みたいな事を言いつつ(笑)真剣で竹を斬っている映像をスマホで見せた。すると食い入るように見た後で、「こっち(厨房側)で切るの手伝ってくれよ!」と来た。もちろん冗談だが、こちらも行くフリをしたりして、互いに笑い合った。きっと、毎日、こうやって色々な国からやって来る人々との交流を楽しんでいるのだろう。
店の前の路上に座り込んで、ハムやチーズがはみ出している巨大なパニーニをほおばると、余計に美味しく感じる気がするのだが、それでも後半は苦しくなるほどボリュームがある。平均的日本人ならランチはこれで十分という量だ。お腹をおちつかせるよう、ゆっくり歩きながらアルノ川沿いに出て、ヴァザーリの回廊、ヴェッキオ橋と巡り、ヴェッキオ宮前のシニョリーア広場の辺りでこの旅最初のジェラートを味わう。広場には「黄金の亀」の像が輝いていて(後で期間限定の展示と知った)、思わずイタリアを舞台にした「ジョジョの奇妙な冒険・第5部」を想起してしまった。
街の中核部とも言えるようなエリアをひと巡りして宿に戻り、チェックイン。実質4階か5階に当たる「サント・スピリト」という名前の部屋は、中庭側に面していて、窓から見える風景は、目の前の建物と、それらに区切られた四角い空だけ。しかし、その狭い空から、ドゥオーモの先端に輝く黄金球と十字架が見えていたのは、ある意味象徴的であった。何故なら、それを制作したのは、今回の旅の導き手であるダ・ヴィンチとその師ヴェロッキオだと言われているからだ。暑さで少し疲れたので、天井の高いその部屋でしばし仮眠をとり、少し日が傾きかけてから出掛ける事にした。
事前調査によると、フィレンツェで観光するには「フィレンツェカード」をゲットするのがベストとの事で、日本で予め手続きしておいたものを受取りにインフォメーションセンターへ向かった。そして、まずはこの歴史ある街のシンボルとも言えるドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ)にご挨拶という事で、クーポラに登るための別な窓口へも赴き、手続きを済ませてから入口を探した。すると強い日差しに照らされた道には長蛇の列が!しかし、ここで早速カードが大活躍。行列をすっ飛ばしていきなり優先的に入れてしまうのだ。463段もある階段を登る途中には、8角形ドームの内側に描かれたフレスコ画を間近に見る事が出来る歩廊もある。
今でも圧倒的な迫力があるこの巨大空間を、ドームが出来た当時の人々はどんな気持ちで眺めたのだろうか。頂上部からの展望はまさに絶景で、街の周囲に広がる丘陵の彼方まで360度見渡すことが出来る。そして、すぐ上には、部屋から見えていた十字架と球が輝いている。この儀式的昇降で、私はフィレンツェという街と一気に同期できた気がしたが、900段余りも階段を昇り降りしたので、すっかり喉が渇いてしまった。という訳で、この日二店目のジェラテリア「グロム」へ。何とこの店はトリノ発祥だった。かき氷状の絶品グラニータで喉を潤してから、アルノ川沿いを散策。
夕食にはまだ少し早い時間帯だったが、トリップアドバイザー経由で予約しておいた「CAMBI(カンビ)」という店を目指し、ヴェッキオ橋から3つ程下流側にある橋を渡って、街の南側に入った。ここは「二子玉のフィレンツェ」と私達が呼んでいる行きつけのトラットリア、「エテルニータ(*1)」の五十嵐さんが教えてくれた店だ。フィレンツェ初心者としては、まずはここのビステッカを食べるべしとの事だったので、1キロの骨付きビステッカとサラダを注文。岩塩と胡椒で素材の味をたっぷり楽しめるのだが、何しろボリュームが半端ないので、それだけでギブアップ。ワインで心地よくなっていた事もあり、ドルチェは別な場所でという事にして、エスプレッソだけ頂いてひとまず終了。
持ち歩いていた『ことりっぷ』で調べてみると、遅い時間帯までやっているカフェは、ちょっと離れた場所にある「チブレオ・カフェ」のみ。30分ほど歩く距離だったが「下町のサンタンプロージョにある」とか「アンティークのインテリア」というフレーズにアンテナが激しく反応。夕涼み&腹ごなしにもちょうど良いと、迷わず次の目的地にセットし、すっかり日が暮れて雰囲気が変わった街をブラブラ楽しみながら向かった。しかし、思ったよりも足が疲れていて、しばらく歩いていると腰を下ろしたくなってしまう。という訳で、ほぼ中間地点に当たるヴェッキオ橋付近で、この日三度目のジェラート休憩(笑)。
オーガニック素材を使用した人気店「ラ・ストレーガ・ノッチョラ」でひと息ついてから、サンタクローチェ教会の横を抜けて、サンタンプロージョエリアへ。確かに下町らしく、地元の人々が宵っ張りで楽しんでいる雰囲気がある。地図通りの場所に「チブレオ」という看板が見えたので、扉を開けると、どうもカフェという感じではない。気付いたスタッフがすぐに「カフェはあっちだ」と丁寧に教えてくれたが、後から同系列のリストランテ(フィレンツェで1、2の名店!)だった事が判明。カフェの前の通りには、ずらりとテーブルが並べられていて、大勢の客で賑わっている。
アンティークな佇まいのカフェの中には、あまり人がおらず、どこに座ろうかと考えあぐねていると、日本人らしきスタッフが声をかけてくれた。バリスタとしてこの店で活躍されているユースケさんという方だった。カフェ利用で来たことを告げると、「中でも外でもお好きな場所で」というので、賑わっている外にする事にした。すると、このお店を切り盛りしている感じの若女将みたいな女性が、「ユースケはここの最高のバリスタなのよ」みたいな事を言いながら、テーブルをサッと外に移動して席をパパッと作ってくれた。見ていると、ここのスタッフは全員動きが見事で無駄が無い。
それでだけで、デキる店だというのは分かったが(この時点ではイタリア中にその名が知られているような名店だとは全く分かっていなかった)、注文したラズベリータルトが運ばれて来た瞬間に、「どうやら素晴しい店に来てしまったようだ」と盛り上り(絵的に美しかったので)、一口味わってみてそれが確信に変わった。想像を遥かに超えて素晴しかったので、できればフィレンツェ滞在中にもう一度来て、今度は食事をしてみたいと思った。
興奮冷めやらぬ感じで、まだまだ賑わっている夜の街を抜けて、目印のドゥオモ方面へと戻ると、途中に、修道院跡を利用した先史博物館と図書館があり、門が開いていたので、寄ってみる事にした。遅い時間帯だったのにも関わらず、明かりが煌々と灯り、本の貸し出しもしていたし、併設のカフェには大勢の学生達がいて、勉強したり議論したりしていた。結果的に、初日から随分と歩き回る事になったが、お陰でこの街の様々な側面を一気に体験する事が出来た。そして、あまり細かい予定を決めずに巡る、このやり方で、私達は驚きのシンクロを体験し続け、美味しいものと無数の芸術作品に出会う事になるのだった。(づづく)
(*1)エテルニータ
→ https://www.facebook.com/trattoria.eternita/
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