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時間芸術学校クリカ「シー」
黄色い宇宙の種の年(2005.7.26 - 2006.7.25)

■水晶の月8日(G6/6)3・嵐 KIN159「燃える青い西の城(by D)

マヤの神聖暦「ツォルキン」をベースにした銀河の暦「ドリームスペル」では、KIN131~156までの52日間をタイトルのように呼ぶのだが、そのラストの5日間にぴったりシンクロするタイミングで、私達は中国の「西安」へ行って来た。かつて13もの王朝の都として栄え、平城京や平安京のモデルにもなった長安の今の呼び名が西安で、実際に街が城壁に囲まれている事を考えると、この時と場所のシンクロぶりには唸らされるものがあった。そもそも今回の旅は、この期間に”書”の聖地「西安碑林博物館」で開催される「天真書法塾 西安碑林臨書展」(自分達の作品も出展)を観に行くのが目的というかきっかけだったので、私達の意思だけで決まった日程ではなかったのだ。

書聖たちの石碑が文字通り林立する西安碑林博物館は、国家的な重要施設であり、通常、日本の一民間団体が借りる事は不可能に近いという。また、近々世界文化遺産にも登録されるとの事だから、今後、益々そういう事は難しくなるだろう(まさにギリギリのタイミングだ)。そんな所に、筆を持ち始めて未だ数年という私達が、臨書作品を出展する事ができたのは、言うまでもなく、青木天外塾長の並外れた魔法と、それをサポートされる吉田花徑先生のご尽力があったからこその話である(喩えて言うなら、絵を習い始めたばかりの者がいきなりルーブル美術館に出展するようなものなのだから、その破天荒ぶりが計り知れよう)。ここに改めて感謝の気持ちを表したい。


そんな訳で、はじめから只ならぬものを感じていた今回の旅だったが、実際、非常に濃いものだった。以下、細かく書くと果てしなく長くなるので、メインの3日間についてのメモだけに留めておこう。1日目。空海が惠果より密教を学んだ「青龍寺」、「陝西歴史博物館」そして玄奘三蔵がインドから持ち帰った経典を収めたという「大雁塔」を訪れる。博物館では、マヤとの繋がりを感じさせるデザインの西周青銅器や、昨年、退行瞑想中に見たものにとてもよく似た石(玉)刀、そして6×6の魔方陣など、意識の回路に響いてくるものが多々あった。ホテルは「大雁塔」の近くで、かつてはその辺り一帯がお寺だったというから、ひょっとしたら玄奘と同じ場で寝ていたかもしれない。

 
2日目は、碑林博物館で臨書展と碑林そのものを見学。さすがに超一級の歴史的資料は見事だったが、臨書展の方も想像以上に素晴らしいものだった。だが、私が一番嬉しかったのは、自分が臨書した「北魏墓誌銘」の現物を、数ある碑の中から自分で発見した時かもしれない(その時、偶々近くにいらした青木先生に写真を撮って頂いたことも含め)。今も町を囲んでいる城壁に上ったり、碑林のそばにある書院門街(書道用具の店が軒を連ねている)を散策したりしていると、長安の都にいた時の記憶でも思い出してしまいそうな気分になった。

 
3日目。ハイライトは何と行っても、鳩摩羅什=クマラージーヴァ(西域の亀ジ国出身)ゆかりの草堂寺を訪れた事である。ここには、彼の偉業を讃え、死後、西域8カ国から贈られたという8面12層、8色の玉で出来た舎利塔があるのだが、それを収めているお堂に、何と青木先生の書「煩悩即菩提」が掲げられたのである!(この寺を訪れる方は是非ご覧になって頂きたい)。鳩摩羅什は、サンスクリット経典を大量に漢訳した最初の人で、玄奘三蔵の訳したものを新訳とするならこちらは旧訳という位、日本の仏教にも直結する重要な人物であり、また、ナーガルジュナ(竜樹)の「中論」なども訳したことから、ダライ・ラマ法王の法話の中でもよくその名前が登場する人物なのだ。そう思うと、連綿と続く仏教伝来の流れの鍵となったポイントが、この西安にはいくつもある事に気づかされる。そして、そういう由緒ある場所に、我が師の書が堂々と掲げられていると思うと、さすがにジーンと来るものがあった。



午後は、西安最大のイスラム寺院(モスク)「青真大寺」を訪れ、門前街である化覚巷で、マトリョーシカのように入れ子になっている亀の小物を手に入れたりした。何を隠そう、この日は、水晶の月の水晶の日、即ち魔術の”亀”の日であり、「ドリームスペル」では、12本目のウェイブスペルの12日目であり、10連続GAPの最終日でもあったのだ。そのためかは分らないが、西の城の52日間にあって、シルクロードを通じた「西域」が、最も強く感じられる1日だった。
 
とまあ、ダイジェストにしてもこんなに長くなってしまうのだから、この5日間(内2日は殆ど移動だったが)の時間の濃密さを、少しは感じて頂けたのではないだろうか。それにしても、前回、ナーガルジュナゆかりの地、南インドから帰国した時には、ライブドアの堀江氏が、そして、そのナーガルジュナによる経典の漢訳にも大いに貢献したクマラジーヴァゆかりの地、西安から帰国した折には、村上ファンドの村上氏が、それぞれ東京地検に逮捕されるというのは、一体どういう繋がりなのだろう、と不思議に思う。

この旅のキーナンバーは、何故か「6」だったが(そういえば今日も2006年6月6日だ!)、今日、勝谷誠彦さんのブログを読みに行ったら、666についての面白い(かつ非常に個人的な)エピソードが乗っていた。しかもそれは、私の16歳の誕生日に起きた日航機事故と関係しているのだ(その日666号という部屋に泊まる事で難を逃れたという見方もできる)。旅をしていたときの週のコドンは33、そしてホテルの部屋番号が3316だった事などを振り返ると、勝谷さんのこの日記ともふかーい関係があるように思えてきてしまう。
 
ところで、以前「旅の事はメルマガで書いて行こう」と決めたのだが、実際のところは、いまだに南インドの旅について書いている状況で、新たな旅が次々とやってくるので、こうしてメモ代わりのダイジェスト版でもいいから、ここにどんどん書いていかないと、そのまま書く機会を失ってしまいそうな気がするのである。なので、ちょっと長ったらしくなってしまったが、どうかお許し願いたい。そして、勝谷さんを見習って、少しずつでもいいから、できるだけ日にちを明けずにこのダイアリーを書いて行きたいと(今日のところは)思った次第である。


■水晶の月12日(G6/10)7・夜 KIN163「アユンテラス(by L)

土曜の昼下がり、久しぶりにアユンテラスでランチ。回りには大使館が多いせいか、あちこちのテーブルから色んな言葉が聞こえて来る。インドネシア語は何とも響きが可愛いね。バンブー・ガムランを聴きながらココナツアイスなんて食べてると、記憶の中からリゾートの時間が波の様に押し寄せて来て一気に和やいだ気分になる。渋谷もね、桜ヶ丘から旧山手通りに抜ける裏通りのあたりには、静かでcozyなお店がけっこう沢山あるのです。最近はほとんどニコタマから出る事は無いし、率先して出たいとも思わないけど、唯一渋谷も良いなと思うのは、あの住宅街の緑に包まれた無国籍なエリアかな、と思ったりする。

■水晶の月13日(G6/11)8・種 KIN164「スペシャルセミナー(by L)

「意識を進化させる道」と題し、
特殊な天文現象起こる直前のタイミングで開催された「高橋徹氏のスペシャルセミナー」。ご参加くださった皆さま(遠くは沖縄や関西からも!)、今回も本当に有難うございました。心から感謝申し上げます。今日は2013年と同期する「黄色い銀河の種」の日。会場にいらしてくださった方々にはもちろんのこと、このセミナーにチャンネルを合わせてくださった全ての方々に、4次元的な銀河の種が蒔かれたことでしょう。5時間半にも渡る講演の内容は、「18.6年間の自らの集大成として語ります」という高橋氏の宣言通り、大変にセンセーショナルなものであった。遠くない将来、(テレパシー的にだけでなく)DVD等の媒体によっても皆さんと共有できたらと計画中。ご期待下さい。

ところで、セミナー終了後はリビングダイナーでお食事。放課後(?)の高橋氏、お酒も入って更に熱弁ふりまくりの大サービス!あの場に居合わせた人は超ラッキー。そして今回は、こんなにもおっされーなお店が会場だというのに、恐れ知らずの女子部は、わいあーさんに歌のリクエスト。しかも(昨年に続いて)矢沢永吉。わいあーさん、「そんなの間違っています」と言いながらも熱唱してくれた。・・・偉い。偉過ぎる。高橋氏の講演を機会に、みんなが元気な顔で集まれるのって本当に嬉しいな、としみじみ思う夜であった。

*天の赤道、黄道、白道という、地球を中心にして見たときの、天球における三つの輪が同じ交点を共有するタイミング。これが起こるのは1987年12月初め以来、実に18.6年ぶりのこと。


■水晶の月15日(G6/13)10・世界の橋渡し KIN166「インターバル?(by L)

そして昨日から二人とも本格的に国際書法展「傅山に挑む!」のための作品制作に入った。提出は2日後!気持ちを切り替えて今は書に集中しよう。そんな私達の様子を横目で見て(忙しそうに思って同情してくれたのか)、「インターバルが無いですね〜」とたかちゃんが言う。が、何もかも自分たちが好きこのんで、わざわざ選んでいること。だからインターバルが無いも糸瓜も無いのだ。というか、渦中にいればこそこれがなかなか楽しいものなのよ。そしてよくよく考えれば、趣味(書)に没頭したり、新しいランチの店を開拓したり、筆を片手にW杯に熱くなったりと、(そういう部分だけ見たら)今日も生活の全てがインターバルとも言える私達なのであった。ああ良きかな。


■水晶の月28日(G6/26)10・嵐 KIN179「水晶の新月の誓い」(by L)

吉村作治さんの銀河のお誕生日。昨日ほぴっと村で「13の月の暦」のレクチャー/by D(ご来場下さった皆さま有難うございました)を終え、ホッと一息つきながら久しぶりに酵素玄米を炊いている。

ほびっと村の本屋さん「ナサプラサード」で扱われているものには、親しい友人達の気配が沢山詰まっていて、実際に本人達に会っている様な不思議な錯覚におちいる。春から旅に出ている友人がいて「どうしてるかな?」と思っていたところ、つい先日何度も読み返さずにはいられない大傑作&爆笑な便り(内容は書けないがお腹よじれもの)が届いた。消印はBeijing。だったら西安の行き帰りにストップオーバーすれば会えたかな?と思っていたのだが、昨日ナワプラサードで目に留まったある作品が何とその友人の手によるものだった。「ここにいるよ」と呼びかけられた様な気がして、ますます会いたい気持ちになった。

この週末、続けて興味深いデレビ番組を見た。夕べはアルキン。触ったら手が切れちゃいそうな空や湖の鋭い青。恐ろしいほど美しい風景が映し出される中、時に「羊の頭数を毎年35%増やす事が義務付けられている」なんてナレーションが(聞き逃しそなほど実にサラリとだけ)入り我が耳を疑う。「政府によって移住が奨励された」というガランとした廃墟の集落も見た。実際は「奨励」なんて生易しいモンではなかっただろうし、人々がそれを望んだとも思えない。自治区とは名ばかりの高原に生きる人々に、どうしてもチベットの人達の暮らしを重ねてしまう。
もの言わぬ新疆ウイグルの風景が哀しくなるほど美しいのだった。そして一昨日はタッシリ・ナジェール。アルジェリアには行った事が無い。サハラのド真ん中の壁画なんて想像もできないからとても面白かった。(そして、決して簡単に行けるところではない事もよくわかった。)タッシリ・ナジェールに残る古代壁画、溜息が出るほど洗練されているではないの!現代人の方が優れてると思うなんてトンチンカンも良いところよね。この番組、来週は何とスリランカ!私達が数ヶ月前にヘロヘロになりながら登った霊峰「スリーパーダ」も登場するらしい。これを見て7364段を登り詰めてご来光を味わった気分になって下さい!雲上の奇跡も見られるかな?余談だが「テレビジョン」とは、tel(=遠い)とvision(=視力)が合体して出来た単語。ホント、この週末は遠くを視たな。

ところで、先週は
傅山展の作品も無事提出できてホッとしたのだが、自分としては正直なところ全然スッキリしない。作品に対してというよりは自らの姿勢に対して。考えるに今回は「これくらいで良しとしよう」という感じのフィニッシュだった。それって良く言えば「余裕」。そのまま言えば「手ぬるい」って事。提出の当日まで書いてはいたけれど、そういう問題じゃー無い事は自分が一番良く知っている。きっと私は(作品の出来そのものよりも)やり過ぎるくらいやって倒れ込む様にゴールを迎えるその事が好きなのだろう。やっかいな性分。(夕べの番組でチルーの猛ダッシュぶりに興奮し確信を得た。)しかし西安碑林展の次、再来年はメトロポリタン(もちろんNYのMET)が控えていることだし、これから機会の有る毎に自分にも協力を捧げながらフィニッシュを決めようと水晶の月の新月に誓うのだった。



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